川端康成の小説「伊豆の踊子」にも登場する木賃宿(※1)だった建物を継承し、今年4月から「ゲストハウス甲州屋」としてオープンさせました。
甲州屋という名前は、大正初期に甲州から来た先人が始めた宿の名前をそのまま使ったものです。
伊豆の踊子が泊まったという歴史や、以前「甲州屋旅館」として営業していた時の状態をそのまま活かしています。
※1 木賃宿(きちんやど)
江戸時代、宿駅で、客の持参した食料を煮炊きする薪代(木銭、木賃)だけを受け取って宿泊させた、最も古い形式の旅宿。
ゲストハウスの前は、下田駅近くで「エディバーガースタンド」というハンバーガー専門店を営業していたのですが、どちらも“人が集まったり、交流したりできる場をつくりたい”という思いで始めています。
交流のきっかけになればと、ゲストハウス甲州屋にはコミュニティスペースを作りました。
たくさんの人に下田に来てもらい、交流できたらと思っています。
下田が好きで移住したので、知り合いを呼びたいと思った時、今まではホテルなどの宿泊施設を探していましたが、「自分たちのところに泊めてあげられたら」と考えました。
また、20代の頃アメリカに住んでいたこともあって、外国人の旅のスタイルがとても好きでした。
旅先の宿で好きな時間に出入りして、料理を作ってゆっくり過ごしたり、海に一日中いたり。その中で出会う人と交流しながら旅を楽しんでいるんです。
移住前に吉佐美のゲストハウスに住み込みで働いていた時、私は掃除の仕事でしたが、朝食を作っている時にゲストと一緒になることがありました。
そんな時に一緒に朝食をとったり、自然に交流が生まれることがとても好きでした。
下田は旅行に来る外国人も多く、いつかこんな環境でゲストハウスができたら嬉しいなと思っていました。
釣りをしているので、犬走島(いぬばしりじま)です。
吉佐美大浜(きさみおおはま)から田牛(とうじ)までを歩くルートがおすすめです。
下田にも甲州屋にも良いところがたくさん残っているので、ここを拠点にして下田を楽しんでもらいたいです。
そして下田をもっと好きになってもらいたいです。
都会の人に、短期ではなく長期で下田へ来てリフレッシュしてもらいたいです。
そして「下田にまた来たい」と思ってほしいです。